Whirlpool
WhirlpoolでのMiR200ロボット群
01 要約
Whirlpoolは、世界最大の家電メーカーの1つです。ポーランドのŁódźの製造エリアでは、乾燥機と自立型調理器が製造されています。効果を高めるために、同社は、事前組立ラインと組立ラインの間で部品を搬送する3台のMiR200自律移動ロボットを導入しました。
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問題と解決策
Łódź工場の経営陣はある課題—製造ライン間での部品の屋内搬送と、積み下ろしの自動化をどうやって組み合わせるか—に直面していました。使用するソリューションは搬送プロセスにおける人間の関与を抑え、同時にコストの最適化と安全基準も満足するものでなくてはなりませんでした。MiR200自律移動ロボットのフリート(群)はこれらの基準を満足しただけでなく、レイアウト変更に柔軟に対応でき、プログラミングと操作も簡単でした。
インダストリー4.0 – 工場の生産性と安全性の向上
Whirlpoolは、自動化、デジタル化、インダストリー4.0を通じて成長に賭けています。このようにして、同社は製品のプロセス効率と品質を改善し、コストを削減し、競争力を強化しています。MiRロボットはこの方向性に良く合っています。
「私たちの工場では、乾燥機が15秒ごとに生産ラインを出て行きます。これには、膨大な数の部品を搬送する必要があります。移動ロボットは、人間の関与なしに部品を配送するまったく新しい方法を提供してくれます。これにより、作業員はより付加価値の高い領域に集中することができます。協働型移動ロボットは安全性も大幅に向上され、人とフォークリフトやけん引車などの機器との間の衝突の可能性をすべて回避できるようになります」と、ŁódźのWhirlpoolのサイトリーダーであるSzymon Krupiński氏は述べています。
自律ロボットが2つの生産ライン間で乾燥機の部品を搬送
ロボットは乾燥機のドアを事前組立ラインから組立ラインに搬送します。搬送するたびに、一度に12個のドアをカートに入れ、帰りに空のパッケージを運びます。往復で約130メートルです。MiR200は事前組立ラインまで乗り込み、積載されたカートの下に移動してフックをかけます。このカートは、ロボットによって、完全なパッケージが流れる組立ラインまで運ばれます。荷降ろしの間に、空の箱が重力でMiRのカートにスライドして戻ってきます。その後、ロボットは出発点に戻り、次の搬送サイクルが始まります。
センサとスキャナによって、ロボットは、フォークリフトやけん引車など、途中に現れる障害物を検出して回避することができます。ロボットの完全な走行サイクルには、約3分50秒かかります。
工場の稼働中、最大200kgの負荷容量を持つ2台のMiR200ロボットが部品を搬送し、3台目は充電ステーションにドッキングされてバックアップとして機能します。
Whirlpoolは、最初のロボットのテストとして2018年12月に導入を開始しました。その後、その結果の評価が良かったので、さらに2台のMiR200が使用されることになりました。Whirlpoolは、ロボットフリート管理システムMiR Fleetもインストールしました。これにより、ロボットはラインからの要求を適切にキューに入れることができ、またロボットのバッテリーの充電レベルが監視され、継続的な作業が保証されます。
Łódź工場でのWhirlpoolのMiRロボットの導入と設定は、ポーランドの販売代理店であるProCobot社によってサポートされていました。
MiRロボットの適応性と使いやすさによって効率が向上
ロボットが導入されて以来、工場のレイアウト、したがってロボットがたどるルートが何度か変更されました。MiRロボットのプログラミングは、実際には、ロボットが通過しなければならないポイントを指定することで構成されます。ルートは、衝突のリスクを最小限に抑えるために、人が頻繁に通る場所を避ける必要があります。操作、プログラミングのシンプルさ、高度なナビゲーション技術により、MiRロボットは生産エリアのレイアウトの変更にすばやく適応できます。
「MiRロボットは操作しやすいので、スタッフはエンジニアリングやプログラミングの経歴がなくても、ロボットを使用できます。このおかげで、新しい技術を導入する状況で作業員のトレーニングに多額のお金をかけることなく、ロボットを効果的に活用できます」と、Whirlpoolのインダストリー4.0ロジスティクスプログラム・マネージャであるPaolo Aliverti氏は述べています。
MiRロボットはフォークリフトに取って代わり、2年未満のROIを保証
ロボットを使用する前は、部品の搬送は、特別に訓練された作業員が操作する車両(フォークリフトとけん引車)のみを使って実行されていました。3台のMiRロボットで、このような作業員が運転する車両1台を置き換えることができます。自律移動ロボットの導入のおかげで、フォークリフトとけん引車の作業員は組織内の他の仕事に集中することができます。Łódź工場での移動ロボットの予想投資回収は最大2年です。
「システムを人による操作から自動配送に変更することで、生産性を高め、作業員を最終製品の製造に従事させることができます。ŁódźとRadomskoの両方で実装されたアプリケーションに満足しています。MiRロボットは、低コストの自動化と、工場レイアウトの変更時の柔軟性を提供してくれます。2年間の投資回収率は魅力的だと考えています」と、Whirlpoolのインダストリー4.0プロセス技術シニアエンジニアのAdam Bakowicz氏は述べています。
MiRを使用したさらなる屋内ロジスティクス自動化プロジェクト
Whirlpoolは、Łódźの工場やその他の場所での移動ロボットの導入を継続する予定です。なかでもイタリアの2つのWhirlpoolの工場で、同様のソリューションが現在テストされています。
ビデオ— MiR robot, Whirlpool
03 Whirlpoolについて
Whirlpool Corporationは、2018年に年間売上高約210億ドル、従業員92,000人、65の製造・技術研究センタを有する世界有数の大手家電メーカーです。同社は、ワールプール、キッチンエイド、メイタグ、コンスル、ブラステンプ、アマナ、バウクネヒト、ジェンエア、インデシットのブランド製品を世界中のほぼすべての国で販売しています。ポーランドでは、Łódź、Radomsko、Wrocławに製造工場があります。