Florisa

01 問題

Brusque（SC）に拠点を置くTinturaria Florisa Ltda（以下、Florisa社）は、繊維分野で事業を行っている会社であり、生産は天然繊維と人工繊維の染色に重点を置いています。Florisa社の哲学は、そのサービスにおける技術と卓越性の探求に基づいています。これを行うために、同社は生産に最先端の設備を徐々に装備し、生産および管理に関わる労働力を専門化してきています。

革新への探求は絶え間なく続き、それは、より良い設備、労働力の資格、工業団地と生産能力の拡大、納品の柔軟性、市場と品質に適合した価格を提供することによって達成されます。

協働型のテクノロジーが導入される前は、繊維材料の搬送は退屈で骨の折れる作業でした。作業者はフォークリフトを使用して、これらの材料を倉庫エリアから生産フロアに搬送しました。通常の就業日では、フォークリフトが材料を配送するのに数時間かかり、これは非常に繁忙な生産時期に増加しました。

Florisa社のコストエンジニアであるPatrick Laurens Stolfi氏は述べています。「倉庫にある生地を生産現場に搬送することは、間違いなく、私たちの工場に存在する最も大変な物流業務の1つです。ある地点から別の地点までの移動距離は、途中にさまざまな障害物があることを考慮しなくても、非常に長くなります。さらに、ルート内では、工場内のいくつかの混雑したエリアを通過しなければなりません。したがって、Florisa社では、新しいテクノロジーを導入して取り組まなければならない課題の領域がわかったのです」

02 イノベーション、コミットメント、生産性、そしてスピード

Florisa社は、繊維業界では初めてこの種のソリューションを保有しています。現在、Brusqueに拠点を置く同社には、それぞれ1トンの積載容量を持つ5台の自律型MiR1000移動ロボットがあり、4台のエレベータとRFIDケージが統合された5階建ての倉庫で稼働しています。さらに、それらはプロセス全体の制御と管理のためにERPとWMS（倉庫管理システム）に接続されています。工場には450か所の受け取り場所と3,000か所の織布保管場所があります。

MiR Fleet管理システムによって制御される5台のMiR1000ロボットによって、生産利益率の増加、少ない稼働時間でより高まった積極性、より多くのデータと分析、生産プロセスでのエラーの削減が可能になりました。

最新のレーザースキャナ技術を搭載したMiR1000には、最適な安全性のために360度の視野が備わっています。前面の3Dカメラの監視範囲は地上30〜2,000 mmで、さらに各コーナーに配置されている2つのセンサによって、他のロボットでは通常は見えにくい布製のケージやその他の障害物をロボットは確実に認識することができます。

Florisa社の目的は、生地を染色する容量を増やすことでしたが、材料の搬入と搬出の人手によるプロセスでは、ムダや手直し、高いコストが発生していました。

「当初の考えは、90トン／日の生産から160トン／日の生産に移行することでした」と、Florisa社のコストエンジニア、Patrick Laurens Stolfi氏は述べています。「プロジェクトの進行によって、200トン／日を達成することができました。これは、プロジェクトで予測された量の122％の増加です」

「パイオニア精神に加えて、ブラジルのインダストリー4.0のベンチマーク企業になったことは、拡張性さえある生産性の向上を目の当たりにして非常に重要であり、運用において期待値を超えたことも、MiRモバイル自律型ロボットの妥当性を強調する成果です」と彼は付け加えました。

03 ロボットの簡単なプログラミングと集中管理

Laurens Stolfi氏は協調しています。「シンプルで一元化されたオンライン構成を備えたMiR Fleetで管理された、5台のMiR1000ロボット群を使用して屋内搬送を最適化することは、当社のソリューションの主要な特徴の1つです。施設内で移動ロボットが途切れることなく稼働しているおかげで、ボトルネックと中断を排除できました」

MiRの認定システム・インテグレータであるPollux社は、MiR自律移動ロボットをFlorisa社に展開するのに必要なサポートを提供してきました。「多くの企業は、生産性の向上のみの観点からインダストリー4.0を検討しています。しかし、インダストリー4.0には、テクノロジーを使用して企業に差別化されたエクスペリエンスを創り出し、製品を市場に提供する観点から競争優位性を生み出す方法が示されている、別の筋道があります。Florisa社のプロジェクトでは、このシナリオを選んで、テクノロジーを導入しました」と、Pollux社のゼネラルマネージャであるGustavo Baumgarten氏は述べています。 

MiRの自律移動ロボットの導入によって、次の点を強調できます。すなわち、精度（製品との接触がないため、搬入・搬出プロセスの効率が向上します）、屋内での雇用（作業員が新しいテクノロジーと連携して働き、新しい戦略的スキルを開発します）、運用エラーの削減（プロセスが自動化され、完全に制御されているため、エラーが排除されました）の点です。

05 使いやすいテクノロジーで倉庫の作業員に活力を

「Florisa社では、作業者は単一のインターフェースを介してMiRロボットを管理できるようになりました。これにより、人工知能がトリガーされ、ロボットに命令が割り当てられます。不必要な歩行を減らし、品物の場所、出荷時間、その他の設定可能な基準に基づいて作業に優先順位を付けるというようなやり方で、AIによって命令がグループ化されます」と、Laurens Stolfi氏は言います。

MiR1000ロボットが自身で会合ポイントに移動して生地を搬送している間、人間の仲間はビジネスに付加価値を与える他の重要な仕事に集中できます。

同社は、その創業者の経験とノウハウをもとに1973年に活動を開始し、この時点から長年にわたって新しい技術を取り入れ、革新を続けています。Florisa社は、これが同社にとって前向きな歩みを続ける道だと確信しています。